本好きの夜を灯すブックスタンド
楽じゃないけど、楽しい“てまひま暮らし”を多くの方に実践してほしい。そんな思いから始まったのが、暮らしをちょっと豊かにするD.I.Y.アイデアを紹介する「てまひま工作室」。本好きに嬉しい本棚&読書灯が一緒になった暮らしの道具です。
忙しい一日の終わりは、ゆっくりと本を開いて心を整えたいもの。でも、蛍光灯だと明るすぎてなんだか落ち着かない……ということ、ありませんか?
明かりが強すぎると、脳の活動状態が続き、その後の眠りが浅くなってしまうこともあるのだとか。優しい暖色の電球を使ったランプなら、やわらかい灯りで心地良く読書をしながら睡眠の準備をすることができます。
教えるのは、てまひま不動産の設計士(左)です。
「暮らしを楽しむための家づくりをサポートしたい」と、施主が描く暮らし方をデッサンに起こすところから仕事をスタートするという設計士。その味わいある絵に惚れ込む人も多いんです。自身もリブランが所有するエコヴィレッジで暮らし、ぶどう棚(植物を這わせ日陰をつくる木製棚)を取り付けたベランダではハーブや季節の野菜、パッションフルーツなどを栽培。最近はそこで採れた野菜を使ったピザづくりにはまっているらしく、そのライフスタイルは「てまひま暮らしの代表」ともいえます。
今回の少し変わったブックスタンドのデザインも設計士のオリジナル。「本好きな自分が欲しいもの」を考えた末に、本棚と読書灯を組み合わせるというアイデアが舞い降りたそう。実は最初は逆さまだった設計が、光の反射具合や本を置いた時の安定性を高めることを考えて“G”の形にたどり着いたとのことです。
用意するもの
1.木材
好きな材でOK。今回はランバーコア合板を使用。縦90cm×横15cm×厚さ2.1cmの板をカットして使います。ホームセンターで購入すればカットも注文できます。
2.定規
3.ノコギリ
4.インパクトドライバー
使用ビッドは1番。
5.キリ
下穴を開けるために使用。3mm。
6.ショートドリル
電球の穴開け用に24mm、埋木(ビスの目隠し)用に12mmを使用。
7.スリムビス(8本)
太さ3.8mm×長さ65mmを使用。
8.丸棒
ショートドリルと同程度の直径を選ぶ。今回は外形12mmを使用。
9.紙やすり
180番と400番の2種を使用。電動サンダーを使うとさらに滑らかな仕上がりに。
10.蜜蝋ワックス
食用亜麻仁油やオリーブオイル、サラダオイルでも代用可。
11.布巾
蜜蝋の拭き取りに。
12.LED電球
小さめのサイズがオススメ。今回はE17口金を使用。リビングで手元の本をしっかり照らしたいなら20W、ベッドルームなら5〜10W程度が目安。
13.コード付きレセップ
電球の口金サイズに合わせて用意。スイッチ付きだと◎。
つくり方
1.木材を端から測ってノコギリでカットします。8cm、9cm、26cmを1枚ずつ、18cmは2枚用意。5枚をGの形に使用します。
2.土台を組み立てます。土台となるのは18cmの板材。ビスを打ち込む位置の目印として、短い辺の右端から1cm、上下からそれぞれ2cmの位置に2ヶ所印を。
3.接合部分の木割れを防ぐため、キリを使って下穴を開けておきます。接合する8cmの板の下面にも右端から1cm、上下からそれぞれ2cmを測って下穴を準備。
4.立てた8cmの板に18cmの板を乗せ、端を揃えて支え、垂直に立てたビスをゆっくり打ちます。
5.9cmの板の中心に印を付け、ショートドリル(24mm)を使って電球用の穴を開けます。1で余った端材を下に敷くと、テーブルに傷が付く心配がありません。
6.紙やすりを使って穴の内側を滑らかにします。
設計士’sポイント!
「丸棒に紙やすりを巻きつけると簡単にやすりがけすることが出来ます」
7.キリを使って9cmの板の右辺と、4で接合した8cmの板の接合部分にも3と同様に下穴を開けます。
8.9cmの板にキリで開けた下穴の上からは、さらにショートドリル(12mm)を使ってゆっくりと深さ5mmほど下穴を開けます。端がささくれないように、気持ち内側に開けるのがコツ。
9.8cmの板に9cmの板を乗せて端を揃え、ショートドリルで下穴の中心にビスを垂直に打ち込みます。
10.打ったビスの上から丸棒を差し込み、余分な部材はノコギリで水平にカットします。
設計士’sポイント!
「ビス留めした穴には、木工用ボンドを少量流し込んで丸棒の処理をすると埋木が抜けにくくなります」
11.2〜4と同じ要領で、26cmの板も土台となる18cmの板に接合。さらに残った18cmの板を天板として接合。目に触れる部分は埋木にすると見栄えが綺麗になるのでオススメ。高さが安定しない時は、本等を重ねて支えるとうまく作業が進みます。
12.Gの形に組み立てたら、埋木が目立たなくなるようにやすりがけを。最初に目の粗い180番を、次に目の細い400番を使って滑らかにします。
13.布巾を使って蜜蝋を全体にまんべんなく塗ります。こうすることで木目が浮き出て、さらに美しく仕上がります。
14.蜜蝋が乾いたら、コード付きレセップに取り付けた電球を穴に差し込み、完成です。
宣伝スタッフ「ショートドリルを使う埋木は上級者テクニックなので慣れるまで少し苦戦しましたが、このひと手間を加えることで仕上がりがぐっと綺麗になります!優しい灯りに照らされて、読書時間がさらに楽しくなりそうですね」
透明性の高いグラスやジャムの空き瓶を上から被せると、さらにやわらかい灯りに。シンプルなデザインなので、和室や子ども部屋など、どんな部屋にも合いそう。単行本なら4冊、文庫本なら6冊ほど収納できるスペースがあるので、その月に読みたい本を並べたり、リラックス用にアロマを置いたりと、使い方は自由在在。
1日の終わりには、小さなライトを部屋に灯してお気に入りの本のページをめくって静かな夜を。灯りを上手に取り入れるための、ひと手間D.I.Y.、チャレンジしてみてください。
⽂:原⼭幸恵(tarakusa)
写真:⼩賀康⼦