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★教えて!住まいのリノベーションvol.8
部屋を暖めてくれる暖房器具は、冬のマストアイテム! しかし、暖房器具には種類によってそれぞれにメリットとデメリットがあります。より快適に生活するためにも、暖房器具は意識して選びたいですね。今回は暖房器具の種類別にメリット・デメリットをお話していきます。
■部屋全体を暖める暖房器具
リビングやちょっと広めの部屋など、部屋全体を暖めたいときには、広い範囲を一気に暖めることができるパワフルな暖房器具を選ぶ必要があります。パワフルでも、エアコンなどを中心に省エネ効果の高い暖房器具も多く出ていますので、効率的に暖房をする器具を選びましょう。
●石油系(石油ファンヒーター・石油ストーブ)
石油系の一番の魅力はすぐに暖まる「速暖性」にあります。帰宅してすぐに部屋を暖めたい時などに最適です。石油は燃焼時に空気中の酸素と結びつき、二酸化炭素と水を発生させるため、部屋の加湿にもなり、冬の乾燥対策としてもメリットがあります。
その反面、石油系のデメリットとしては、発生する二酸化炭素とにおいがあり、こまめに換気が必要になる点や、加湿器と併用すると結露の原因となる点が挙げられます。また、石油の購入や給油の手間なども女性にとっては力仕事ですし、手ににおいが付きやすくなるため、敬遠する人も多いかもしれません。
●ガス系(FF式)
FF式とは、外壁に「給排気筒」を通すことで、燃焼に必要な空気を直接引き込み、燃焼後の汚れた空気は屋外に排出してくれる換気の手間がかからない暖房器具です。ガス系も石油系と同様に速暖性に優れていますので、「今すぐ部屋を暖めたい」というときにはぴったりです。また、給油などの手間がかからず、スイッチ一つで済む点も魅力ですね。
良いことだらけのようなガス系FF式の暖房器具ですが、注意したいのは外壁に穴を開ける工事が必要な点です。設置には業者が欠かせないことや、外壁に面した壁の近くにしか設置できないことが挙げられます。
●エアコン
内閣府が毎年行っている「消費動向調査」(2015年3月調査)によると、住宅へのエアコンの普及率は91.2%と、ほとんどの家庭で設置されています。近年のエアコンはエコを意識した設計のものが主流になっていますので、消費電力も多くなく、少ないコストで効率的に暖まる暖房器具です。また燃焼系とは異なり部屋の空気を汚さないので、換気の手間がかかりませんし、火事などのリスクが少なく安心できる点も魅力です。
手軽に使えてやけどなどの心配がなく、小さいお子さんがいる家庭では重宝します。しかし、足元などの低い位置は暖まりにくく、お子さんが過ごすエリアは大人が過ごす位置よりも室温が下がります。また、石油やガスなどの燃焼系と異なり加湿しないため、乾燥によってインフルエンザなどのウイルスが活発になる点は注意が必要です。
●オイルヒーター
電気で内部のオイルを暖めることで、部屋全体をじんわりと暖かくしてくれるオイルヒーターは、直接触ってもやけどするような高温にはならず、部屋の空気も汚さないので、特に小さいお子さんがいる家庭では人気のある暖房器具です。気密性が高い住居ではそのメリットを最大に活かせる点が魅力です。
オイルヒーターの難点は「今すぐ部屋を暖めたい」という時には不向きな点です。長時間つけて初めてその効果を発揮するオイルヒーターは、電気代がかかることも考慮する必要があります。
■直接体を暖める暖房器具
部屋に一人しかいないのに部屋全体を暖めるのは効率が悪いというときや、着替えをするときだけスポットで暖めたいなど、直接体を暖めるタイプを短時間使うことで、省エネにもなります。
●セラミックファンヒーター
電気の力で温風を送るセラミックファンヒーターは、設置する場所を選ばず、給油などの手間もかからない手軽に使える安全性の高い暖房器具です。コンパクトなものもたくさんありますので、トイレや洗面所など大型の暖房器具が設置できない箇所にも置ける点が魅力です。
セラミックファンヒーターは、狭い範囲を部分的に暖める効果は高いものの、広い部屋を暖めるには適していません。また長時間使い続けると電気代がかさむ原因にもなりますので注意が必要です。
●電気ストーブ
電気ストーブの主流はハロゲンヒーターとカーボンヒーターです。どちらも電源を入れればすぐに暖まったり、赤外線放射で当たっている個所はとても暖かく感じられたりする点が魅力です。冷えた体をすぐに暖めたいときに適した暖房器具です。
東京消防庁の調査によると、2010年から2014年の5年間で発生したストーブを原因とする住宅火災は658件発生していますが、その中でも電気ストーブによるものが487件と全体の74%を占める調査結果が出ています。特に布団などに引火するケースが多くみられますので、寝室に置く暖房器具としては不向きといえるでしょう。
■暖房器具選びのポイントは?
新居への引っ越しや、家族が増えたときなど、暖房器具購入のタイミングではどのような点に注意して選べばいいのでしょうか。
●生活スタイルで選ぶのが一番
「日中は家族みんなが出かけていない」「高齢者や小さいお子さんがいる」など、家族構成や行動パターンなどによって、選び方が変わってきます。小さいお子さんがいる家庭では、特にやけどや暖房器具の転倒などによる火災が気になりますし、高齢者は室内での寒暖差によるヒートショックなどにも配慮する必要があります。
また、家族がそれぞれの部屋で過ごす時間が長い家庭では、暖房費もかかりがちです。省エネ効果の高い暖房器具を選ぶのも1つのポイントになります。エアコンなどを中心に、近年は省エネを意識した暖房器具が多く出ていますので、色々比較してみるのもいいですね。
■まとめ
断熱性や気密性が高い住宅が増えてはいますが、それでも全く暖房器具を使わずに過ごせるとまではいきません。快適な生活を送るためにも、上手に暖房器具を活用したいですね。
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