★教えて！住まいのリノベーションvol.11

中古住宅購入にプラスして、自分の思い描いた我が家にするためにリノベーションをしようと思ったとき、気になるのが「ローンの組み方」ではないでしょうか。「住宅ローン」と「リフォームローン」、2つのローンを組むとなると、手続きが倍になるだけでなく、支払いの負担も大きくなります。ですが、中古住宅＋リノベーションには、2つのローンを組む以外に「まとめる」という選択肢があります。今回は中古住宅＋リノベーションで検討したい、まとめてお得なローンの組み方についてお話しします。

■リノベーション費用＝現金払いしかないの？

リノベーションを行うなら、現金で支払うしかないと思っていませんか。

●現金払い以外にリフォームローンという手段も！

「リフォームローン」は、経年劣化によって発生するさまざまなトラブルを新築のような状態に戻す原状回復としての「リフォームのみ」に使われるローンではありません。間取りの変更や建材の変更といった大掛かりな変更を必要とする「リノベーション」でも利用することができます。現在、多くの金融機関が扱うリフォームローンは担保を必要としない「無担保ローン」がほとんどで、比較的気軽に利用できる点がメリットです。

■リノベーションするなら住宅ローンと一緒に！がお得

住宅購入にプラスしてリフォームやリノベーションを行う際には、住宅ローンにまとめることもできます。リノベーションなどの費用を住宅購入費用と合わせて住宅ローンを組むと、どのようなメリットがあるのでしょうか。

●各種ローンの中でも、住宅ローンは低金利！

住宅ローンと住宅ローン以外の金利を比べてみると、金利に大きな差があることに気が付かれるのではないでしょうか。住宅ローンは、購入する住宅を不動産として担保することで、金融機関が融資を行う「有担保ローン」です。そのため、リフォームローンやフリーローンなどと比べて金利は低く抑えられています。低金利の最大のメリットは何といっても「総返済金額が抑えられる」ことです。ローンは長期間かけて借入金額を返済していくため、金利が0.1％でも異なるだけで大きな差が出てきます。住宅は住宅ローン、リノベーションはリフォームローンと分けるよりも、住宅ローンでまとめて返済する方が、結果的に返済金額を抑えられるのです。

●住宅ローンだけにすると手続きが楽

住宅ローンにまとめるメリットのもう1つは、手続きです。住宅ローンとリフォームローンを別々に組む場合、同じ金融機関であっても手続きや審査はそれぞれで必要になり、用意する証明書や記入する書類なども倍になります。

●別々にローンを組むと、ローンは2重に

住宅ローンとリフォームローンを同時期にスタートした場合、どちらかの支払いが完了するまでは2重にローンを支払うことになるため、2つのローンを合わせても支払える資金計画を立てる必要があります。住宅ローンにまとめることで支払いを一本化できるほか、返済期間中の支払金額に偏りがなく、当初の返済が楽になります。

■住宅ローンにまとめる際に注意しておきたい点とは

住宅ローンにリノベーション費用をまとめるという手段は、良いことずくめのようですが、注意しておかなくてはいけない点もあります。

●希望通りの借入金額にならないことも

住宅ローンは、借入希望金額に対して担保となる中古住宅の不動産価値とのバランスが取れていなければ、審査が通らなかったり、借入可能額が減らされたりすることもあります。特に築年数が経過した中古住宅ほど、断熱補強や耐震補強などリノベーションが大掛かりになり、費用も膨らみがちです。しかし、それに対して「住宅そのもの」の不動産価値は大きくはありません。中古住宅を選ぶ際には、その点にも十分に注意しましょう。

●住宅ローンの事前審査までに、施工会社もプランも決定が必須

「中古住宅×リノベーション、住宅ローンはどうすればいい!? 」でもお話ししたように、住宅ローンにリノベーション費用をまとめる場合には、住宅ローンの事前審査時には「リノベーション費用の見積書」、本審査には「リノベーション工事請負契約書」がそれぞれ必要になります。つまり、事前審査の前にはリノベーションを依頼する施工会社はもちろん、どのようなリノベーションを行うのかまで決定していなければ、住宅ローンにまとめることはできません。

■まとめ

住宅購入費用とリノベーション費用はまとめて住宅ローンを組む方がお得になります。そのためには、物件探しとリノベーション施工会社探しを同時進行で進めておくことが必要です。「あっちもこっちもでは難しい！　」と感じたら、「ワンストップサービス」を行う会社に依頼するのがおすすめです。物件探しからリノベーション施工、引き渡し後の保証までを1社が行うので、打ち合わせや手続きなどが煩雑にならずに済むのが魅力です。