ほりさんのワンポイントアドバイス④~こんなことないですか~
建築事業部の堀内から、みなさまにワンポイントアドバイスです!
こちらのコーナーも、どうぞよろしくお願いいたします。
もうすぐ春ですねぇ~♫ でも・・・
一年で一番寒いと言われるこの季節。
あわてんぼう主婦、朝起きて一番にすることは、分厚い靴下をはくこと。
床が冷たくて、キッチンに立つのが嫌なんです。
床暖房とまではいかないけれど、もう少しあたたかい感じのする床ってないのかしら・・・
あるんですよ!!
床材によって温度の感じ方が異なることがあるんですよ~!!
あ、堀さん(*^-^*) 靴下持ってきてくれたんですか(*’’▽’’)
足元の冷え
お宅は、シート貼の床なんですね。足元、冷えるでしょう?
床材によって熱伝導率が異なるので、足の裏が感じる体感温度には差が生じるのです。難しい話をすると、素材の表面温度は空間の温度と同じなのですが、足裏から奪われる熱は素材によって違ってくるのです。
例えば、同じ部屋にあるビニールの風呂敷と毛布、寒いときにあたたまるにはだんぜん毛布を使いたいですよね(笑)
熱伝導率は、熱の伝わりやすさを表す。数値が高い方が伝わりやすい。ガラスを1とすると
ダイヤモンド(1000)>金属類(銀420~ステンレス20)>ガラス>水(0.6)>ポリエチレン(0.41)>木材(0.15~0.25)>羊毛(0.05)>空気(0.02)
木材のあたたかさの秘密
ところで、なぜ木材は熱伝導率が低いのでしょう?
木材を顕微鏡で見てみると、パイプ状の細胞の集合体であるということがわかります。
この細胞の内側は、私たちがみんな知ってる身近な物質の中で一番熱を伝えにくい空気で満たされています。そのため木材の熱伝導率は低いのです。
気温の低い冬場に、触れても手や足裏から熱が奪われにくく、自分のぬくもりを実感できるため、心地よいあたたかさを感じることができるのです。
樹種による違い
木の種類によっても、細胞の大きさなどに違いがあり熱伝導率が異なるため、あたたかさも異なるんですね。
電子顕微鏡の写真で、針葉樹のヒノキと広葉樹のヤマザクラを比べてみましょう。
針葉樹(ヒノキ、スギ、マツなど、葉が針のような形をしています)は、細胞が細かく緻密に整列しています。一方、広葉樹(サクラ、ブナ、オーク、カバなど、葉が広く大きい)は、細胞の形にばらつきがあり、空気を含むことができる組織の数も針葉樹より少ないですね。
より空気を含むことのできる針葉樹材の方が、あたたかみを感じやすく軽くて柔らかい木質になります。広葉樹材は、あたたかみは針葉樹材よりは感じにくいですが、重くてかたい木質になるのです。 このように、樹種によって空気を含める割合が違うので、感じるあたたかみにも違いが表れるのです。
無垢材が好まれる理由
無垢材の魅力は、木が持つその本来の肌触りといえるでしょう。無垢のフローリングをはだしで歩いたり、寝転んでみたり、手や足裏などで触れることにより感じる、人にやさしい心地よさを持っています。
木は伐採後も呼吸をしており、室内の状況に応じて湿度を調整してくれるんです。
加えて、樹木の中には、フィトンチッドという芳香成分を空気中に発散しているものもあります。フィトンチッドには、リラックス効果があるためストレスを緩和したり、ダニやカビの発生を抑えるという消臭・防虫効果があるんですね。
肌の弱い方やアトピーをお持ちの方、赤ちゃんなど肌に敏感な方に優しい素材といえるのでしょう。 こうした理由から、無垢材を選ばれる方も多いのではないでしょうか。
「経年劣化」ではなく「経年美化」
無垢材で一番気を付けたいことは、反りやねじれなどの変形が生じる可能性かあることでしょうか。(その点では、小さな木材を継ぎ合わせて作る集成材のほうが、優れていると言えるでしょう。)
そうした変形ができるだけ起こらないためには、しっかりと木材を乾燥させることが重要です。
本来無垢の木は、乾燥させて使用すれば、長持ちします。古くからの日本の神社仏閣の建造物がそれを証明してくれていますね。無垢材は付き合い方によって、「経年劣化」ならぬ「経年美化」というかたちで年々色味が深まり、重厚な風合いを醸し出すという性質も持っているのです。
あきらめないで~
無垢の家具ってあたたかみがあって好きなのよね。
それに無垢のフローリングにしたくなってきた~。
でも、張替えにはお金がたくさんかかりそう。それに、メンテナンスも大変そうね~(汗)
確かに、施工にも手間がかかるので、価格は材料費、施工費ともに無垢材を利用するほうが割高になることが多いですね。
なので、無垢の木材の魅力は十分わかった、でもあきらめるしかないな~という方も多くいらっしゃるのでは?
無垢材とのおつきあい
そんな場合は、床にこだわるのではなく、インテリアとして無垢材を取り入れてみてはいかがでしょうか?
例えば、キッチン台や、テーブルの天板に(重厚感のある)古材を利用するとか、椅子をお気に入りの無垢材を使った椅子に変えてみるとか。まな板だって、無垢の一枚ものにしてみたら、無垢材の良さを実感できるかもしれません。
もしかしたら、その出会いから、無垢材との長いお付き合いが始まるかも♫
次回は、無垢床のお手入れ、ワックスがけについて、ほりさんに尋ねてみようと思います。
(投稿:建築事業部 太田久美子)