「ミュージション」開発ストーリー

about2016.08.09

「ミュージション」が提供する価値は「思う存分音楽に集中できる生活」。目指すのは、その性能、すなわち「遮音性能」の向上である。高野彰(建築事業部)は言う。

 

「壁の汚れや床の傷などは目に見えるが、音は目に見えない。こう作れば、必ずうまくいくはずと信じて施工しても、音は、完成した後に実際に測ってみなければわからない。」高野は、前職の建設会社から転職してリブランに入社して以来、「ミュージション」を自社施工する場合の現場責任者を任されてきた。

目に見えない「音」との戦い 

高野「目で見えない音を管理することがどれだけ難しいかって、それこそ簡単には表現できない。もちろん具体的なところは企業秘密もありますよ。音が伝わるということは、伝わる理由が必ずある。だから、その音がどこから伝わるかがわからないと遮音することはできないわけです。考えられることはすべて考え、できうる限りのことを徹底的に施す。浮き床、浮き壁、浮き天井などを採用して、あらゆる角度から、音の伝わりをカットする方法を考える。自信はあります。でも、音は油断できない。怖いですよ。」

 

「そこまでしてもやりたい。それは、ミュージションの性能が向上すれば、そこに住むアーチストの活動そのものが変わってくるから。だから1デシベルの差、音という見えない敵と戦い続けなきゃいけない。ミュージションで暮らす人にとって、音楽は趣味ではなく、生き方そのもの。僕らがその空間をつくれば、音楽を死ぬほどやりたい人たちに、誰に気兼ねすることもなく音楽に浸る日々を提供できるというのは、やっぱりワクワクしますからね。」

 

高野さん 

進化し続けている遮音性能の向上

音は目には見えないが、遮音性能を表す値、数値で表すことは出来る。そのレベルについて、第三者が見てもわかる客観的な性能を表す責任があると考え、「ミュージション」はその値を公表している。騒音を特定の位置で測定した値のレベル差は、D 値という遮音等級で表わされ、値が高いほど性能が良い。日本建築学会では【D-55】を特級と定めているが、「ミュージション」の遮音性能は【D-85】まで向上させてきた。

例えば90~100dbのピアノの音から70dbが遮音されると音は20~30dbに軽減される。その遮音効果は、およそ“1/1000万”。その音は、深夜の住宅地や柱時計のカチコチ音とレベルは同じ。85dB下げた場合、音のエネルギーは、316,227,766分の1となり、ほぼ何も聞こえなくなる。

 

高い遮音性に特化した部屋とはいえ、快適に住める空間であることは、当然のこと。住み心地の良さを落とすような部屋では、リブランが提供する住空間とは呼べない。住まいとしての居住性能を損なうことなく、D-85まで進化し続けている遮音性能の向上は、ピアノをはじめバイオリンやギターなどの弦楽器、フルートやトランペットなどの管楽器の演奏も気兼ねなく、自由に楽しめる住空間「ミュージション」を実現する。

 夢への挑戦

さらに高野はもう既に次の夢に走り始めている。最も難しい打楽器・ドラムの遮音である。従来の技術では中間階(2階以上)でドラムを叩ける性能のマンションを作ることは非常に困難だと言われている。しかし、だからこそ挑戦する価値がある。「マンションでもドラムをたたける環境を実現する」という、夢への挑戦である。

 

(総務部 太田)