年間1,376冊。 なぜ、リブランは、社員に本を与えるのか。
自分が如何に生きるかを考える指針となるものを、本は与えてくれる。
アイデアや思想とは「言葉」であり、その語彙は本の中にある。語彙がなければ生き方は磨けない。社員が本気で次の時代をつくろうと戦う時、丸腰では戦えない。だから本という武器で知識を武装する。しかし、その武器を握るか握らないかは、本人次第、選択は自由。
個人の自主性にゆだねられる。
1376冊、2,006,458円。これは、最近1年間に社員が読んだ本の冊数と購入代金。それは全額会社の経費で支払われている。利用者は36名、78%の社員が利用した。入社前にはほとんど本を読まなかった社員が、今ではSNSを使い自分の読んだ本を紹介している。それを見る社員同士で「あの人はこんな本を読むんだ…」という理解も深まっていく。一番たくさん読んだ人は163冊。隠さずに言えば、本をたくさん買う社員もいれば、買わない社員もいる。何冊も読まなければいけないという強制的な縛りはない。そして、どんな分野の本でも構わないというルールは、社員の自発性を重んじるリブラン流。
問題を解決し、社会を変え、自分の手で未来をつくりたい、そう思った時、学びたいという欲求は自然についてくるもの。だから、もしこの本の購入代金が半分になってしまったり、0に近づくとすれば、それはすなわち、リブランの死を意味する。
会社から費用を出してもらう以上、仕事に役立つ本を読もうという意識から、ビジネス書、実用書を買う社員も多い。しかし、人の興味の軸は、必ずしも仕事上に存在するものでもない。今、自分が興味を持てることから始めるしかないのだ。小説でもいい、漫画も否定しない。泣きたい時は、本を読んで泣けばいい。壁にぶつかり、苦悩するたびに、自分の相談相手となる一冊を選べば良い。そこから興味が広がっていくことを待つしかないのだ。
「迷ったときはよ、ロッケンロールな道を行くとおもしれえぞ」
「ロッケンロール?」
「ようするによ、いつも、わくわくする方の道を行くんだよ」
出典 小説 『虹の岬の喫茶店』 (森沢明夫 著)
これは『虹の岬の喫茶店』の一文。
この言葉に心を打たれた遠藤麻生実(ミュージション事業部)は「リブランのコンセプトマンション・ミュージションご入居者の仕事に繋がる企画は出来ないか」と考えていた。そしてその頃に行った入居者主催のライブで、ゲーム会社勤務の方と知り合う。その方は「携帯アプリゲームに主題歌をつけなければ」という課題をかかえていた。遠藤が入居者さんにその話を説明したところ、非常に興味を持っていただいた。
その結果、実現したのが「ミュージション×KOYON PRETE作曲コンペ」。
ミュージションの入居者や、ミュージションズクラブ会員等を対象とした作曲のコンペであり、採用された楽曲は他社制作の携帯アプリゲームにて使用され、反響が大きかった楽曲は「次回の楽曲制作にて指名の対象になる」という特典付きだった。
遠藤はこの仕事を機に、与えられた業務の中だけではなく、その外側にもっと面白いチャンスがあると気づいた。
“自分”が「わくわくする方の道」を選んだという自覚によって、仕事への自信や勇気、多少のトラブルではへこたれないタフさが身に付いたという。
※遠藤麻生実さんは、今はリブランを退職していますが、ミュージションアンバサダーとして退職後もミュージションを応援していただいております。
本を読むことで知識の吸収と、意見交換が行われ、新しいプロジェクトを立ち上げる原動力になっていく。リブランが社員にあらゆる分野の読書を支援することで、そういった芽が確実に育っている。
社員が読む本は、会社が負担する。そんなことが、当たり前の世の中になってほしい。
いつでも手に取れる、社内のあちらこちらにある本。
本棚を手作りして、1階接客ブースに整理して、リブランにきてくれるみなさんにも貸し出ししたいと思っています。
(総務部 太田)