木製内窓の効果を測定してみました
築35年のマンションのリノベーション
事業企画部の樋口です。お客様が購入された、築35年のマンションを1室まるごとリノベーションしました。
今回新たにつくり替えられる壁などは、省エネルギー対策等級Ⅳ相当の断熱を施し、性能をup!
ところが、サッシは共用部なので、個人の判断で入れ替えたり変更することはできません。
竣工当時は一般的なシングルガラスで換気小窓付き。夏にはありがたいのですが、冬はちょっと寒いです。
そこで、内側に木製のガラス建具を設置しました。
熱環境的に弱い開口部廻りを強化
最近、iphoneに取り付けできるサーマルカメラを入手し、実測です。これまでのサーマルカメラはずいぶんと大きな図体をしていましたが、これはポケットに入る大きさです。
測定日は2月はじめで天気は薄曇り。暦の上では立春を過ぎたとあってか幾分寒さも和らぎ、測定した13時には9℃もありました。
(この写真中の温度表示は位置が少しずれて表示されています。サーモグラフィーの写真位置が正です)
コールドドラフトや冷輻射は感じません
早速、サーモグラフィーを見てみましょう。
体感ではわかりにくい温度差が一目瞭然で、うっすらとガラス建具の格子も確認できます。
最高温度が壁面で19℃、最低温度がガラス建具下部で17℃。このくらいだと、窓の近くにいってもコールドドラフトや冷輻射を感じることはありません。
室温も19℃あり、暖かいです。
ガラス建具を開けるとひんやり
続いて、右側のガラス建具を開けてみました。
最高温度は変わらず壁面で19℃、最低温度はアルミサッシの下部で15℃。2℃下がりました。
木製ガラス戸を開けた時、冷気が流れ出てきました。
ガラス建具自体に断熱性があるわけではなく、ガラス建具とアルミサッシの間の空気が断熱の役割をしています。
この空気があまり対流しないよう、できるだけアルミサッシとガラス建具を近づけて設置しています。
できるだけ「空気」ではなく「物体」を温めたい
最後にアルミサッシも開けてみました。
ぐんと温度が下がり、最低温度は外部で9℃。外気温そのままですね。部屋の中も一気に寒くなりました。
ところが最高温度は変わらず壁面で19℃。
換気をすれば確かに室内の空気の温度はいっぺんに下がってしまうのですが、壁面など物体の温度はにわかには下がらないことがよくわかります。
直射日光が当たる床などは蓄熱し、ダイレクトゲインと呼ばれます。冬の貴重な熱源ですね。
厚手のカーテンでも断熱はできるのですが、このダイレクトゲインまで遮られてしまいます。
エコミックススタイルは、間取りや内装の変更だけではなく、温熱環境の改善も行うことで、住み心地の良い住まいに仕立て直しいたします。
体感温度の改善が気になった方はこちらをどうぞ!