間取りを考える。
事業企画部の宮本です。
今回は、間取りを作る上で僕が考えていることをお話ししたいと思います。
実は、いきなり四角い部屋をパズルのように組み合わせて間取りを作るのは、プロでもなかなか難しくてできません。
ですので、自分流の間取りの作り方についてもお話しします。
周辺環境を見て、ゾーニングを考える。
間取りを決める前にまず僕が確認することは周辺環境です。
隣に緑豊かな公園があれば、そちらに向けて大きく窓を開けたくなるし、家族みんなで過ごすリビングも景色のいい方に持っていきたくなります。逆に隣に余り見たくない景色がある場合、そちらには窓を設けないようにします。
周辺環境を確認した次に行う作業がゾーニングと言われる作業です。
ゾーニングは、決められた敷地や部屋の大きさの中で、「リビングはココ」、「水廻りはココ」、「寝室はココ」というように、大まかなゾーン分けを行うことを言います(写真にもあるように、大体の位置関係を丸でグルグル表現していく)。
この時、実際の生活の仕方、人の動き、家事動線や風の通り道などをある程度考えておかないと、後になって「これじゃお風呂に入れない…」ということになったりします。
また、丸の大きさも少しゆとりを持って書いておかないと、実際の大きさにしてみたら、「トイレが小さ過ぎる…」ということに後々なってしまうことがあります。
この、「少しゆとりを持って…」というのは、大き過ぎても小さ過ぎてもダメなので、一番練習のいるところだと思います。
部屋の位置と大きさ、窓の位置を決める。
続いて、先程のゾーニングで描いた丸に、もう少し具体的な部屋の位置や大きさを入れていきます。
丸ではなく四角く部屋を繋ぎながら、「ココに部屋の入口があって、ココが窓」みたいなことを決めるのも、この段階です。
この時、「風の通り道がちゃんとあるか」、「家具が置けるか」以外にも、「部屋に入った時に何が見えるか…玄関から入って、一歩ずつ進むごとに部屋の景色がどう変わって見えるか」なども頭の中で思い描きながらチェックします。
少しずつ細かな部分も決めていく。
次に各部の仕上げ材や照明器具の位置など、もう少し詳細な部分を決めていきます。
仕上げ材の場合、例えば「一番、肌が触れるところだから床は無垢材にしよう」とか「この壁は、視線が止まりやすいから珪藻土のようなテクスチャ感のある仕上げにしよう」など、家の雰囲気に合わせながら考えていきます。
照明も部屋の用途に合わせて、器具と明るさを決めていきます。
分譲マンションや分譲戸建住宅の場合、部屋の中心に照明器具を設置する場合が多いのですが、オシャレなお店などに行ってみても分かるように、いい雰囲気を作り出す照明は真ん中に無いことが多いですよね。
このように、大きいところから小さなところまで、一つ一つを設計事務所と打ち合わせの中で決めていったことが、設計図となり、実際の建物工事へと繋がっていきます。
今後は、もっとお客様の意見を聞きながら計画に反映していくことができたらいいなぁと考えています。
住まい手がどんな家にしたいのか、例えば「読書を楽しむ部屋が欲しい」とか「趣味を生かす部屋が作りたい」とか。
また、「将来、子どもが増えたり、親と同居したりする」など、将来に渡って変化する家族構成のことを考慮して間取りを考えておくことも、住まいと永く付き合うためには必要なことかも知れません。