住宅建設には、目に見えないさまざまな支えがあります!
①建物を支える杭工事
建物全体を支える役割を担っているのが、杭と呼ばれるものです。杭は地中の支持層と呼ばれる強固な地盤まで達することで、地震の際に建物が沈下しない様に、また建物の引抜きや転倒から守る役割を果たしています。
杭の種類は現場で製作する現場造成杭と、工場で製作する既製杭の2種類に分けられます。写真の一例は、現場造成杭です。地中に穴を掘り、写真のようにカゴ状に組み立てた鉄筋を掘った穴に配置し、コンクリートを流し込むことで杭として構築します。
②周辺地盤を支える山留工事
建物の基礎を構築する際は地面を掘削します。その際に土圧の影響などから、周辺地盤や掘削面が崩れないように、支える役割を担っているのが山留工事です。土が崩れることを「山が来る」と言うことから、山を留めると書いて山留工事と言われています。 写真の一例は、親杭横矢板工法を呼ばれる工法で、親杭(H型鋼)を所定の間隔で地面に打ち込んで、そのH型鋼の間に30mmくらいの木板を挟み込むことで、土圧の影響などによる崩れから守っています。
③コンクリートを支える型枠工事
パイプサポートと呼ばれる鋼製の支持材と鉄パイプや角材を組み合わせて、その上にべニア板を敷き込む作業が型枠支保工組です。その上に鉄筋を配置したのちにコンクリートを流し込み、コンクリートが所定の強度に達するまでの支える役割を担っています。コンクリートが所定の強度に達したことを確認したのち撤去します。コンクリートの重さは1㎥当たり2.3tと言われていますので、一般的なマンションを例にしますと、広さが70㎡の場合で約30tもの重さを支えていることになります。鉄筋とコンクリートの長所を組合わせることで、部屋の真ん中に柱などの支えを必要とすることなく、広い空間を確保しています。
④暮らしを支える置床工事
③のコンクリートの床が出来上がったのち、その上に支持脚を用いて床組を行います。一般的に乾式2重床と呼ばれてます。パーティクルボード(厚さ20mm)の上に合板(厚さ12mm)を張り、さらに仕上げとして無垢フローリング(厚さ15mm)を重ね合わせて構成しています。この構成により住まわれる人や家具を支える役割を担っています。支持脚には遮音性に配慮して、弾力性のあるゴム製のものを用いています。歩行時に若干ふわふわした感触がしたり、タンスのそばを歩いた時にタンスが揺れたりするのはそのためです。またコンクリート面と2重床面の間の空間利用して、設備や電気の配管を配置しています。